右片麻痺について・・・

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去年の今頃、友人に誘われて仕事に行った。

病気を発症する半年前まで手伝わせて貰った年下の同業者の所で、前のように仕事ができると自分にとっては新しい希望だった。

しかしこの状態をじっくり見たら、社長の彼も困ったのだろう。
身体障害者手帳 1級1種で当時介護保険 要介護4は障がい者の中でも只事ではない。
週2回、「日本一(起動加速度の)速い電車」で三宮から石屋川まで乗り、それはこの身で怖かった。三宮から東京の「ゆりかもめ」と同型の自動列車に乗って通勤。1ヶ月行かせて貰った。

私の仕事は設計事務。CADで水道の設備図面を描き、各水道局の窓口にある申請で審査を受け届け出する。もう14年やっているので簡単な仕事だ。
図面を描くのは機械設計を入れてキャリア16年。自分でもセンスのある設計をしていたと思う。

ところが、全然駄目だった。

右手が使えない。足もまともに歩けない。

自分で描いた図面を複合機の所まで取りに行くのも必死だ。なにもかもの配置が右仕様。デスクの電話、パソコン本体の位置と気を配って置いてくれたマニュアルや書類(全部右側)。

それでマウスで図面を描く。

私が困ったのは左手でも試しに描けたAuto-Cadではなくて、Rapidという国産のCADだった。

両手のコマンドが多すぎる。流石日本人。ユニバーサルデザインのCAD等、パソコンのツールを障がい者が使うにあたってなど一つも考慮されていない。この障害になってから今まで見えなかった物が次々に見えた。
わがままに聞こえますがワールドスタンダードと国産では違います。

そういうところがワールドスタンダードなる由縁でしょうか。

RapidというCADは使えず、おまけにAuto-Cadで描いた図面は化けまくり、もうほんとに歯痒い思いでした。
しかし仕事は仕事。右手だろうがそうでなかった者が左手を使おうが関係ありません。

「仕事」とはお金を生み出すものですから。慈善事業ではありません。

昔、前の前の会社にいたとき首にした者にそう言った記憶があります。
なんとも言えませんね、人生は。

左手しか使えない右片麻痺の方には何故か近親感があります。