Challenged
英語で障がい者のことを「チャレンジド」と表すそうです。起こったことを嘆き悲しむよりも、『ついに、私の番が来た!』と、前向きに捉え一歩踏み出すことが大事だと思います。自分を元気づけるためにも『ついに、俺の番が来た!』・・・とある方のtweetより。
私が最近読んだ「エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション」という本に、脳卒中患者のことを「Stroke Survivor(ストローク サバイバー)」と表記していたり、これは文化の違いからか、障がい者を意味する言葉が日本よりも前向きな意味を含むことを多く感じられます。
言葉というのは不思議なもので、ただ単に「障がい者」と括ってしまうのと、「Challenged」と表記するのでは、これは障がいを持つ当人にとっては心構えが全く変わって受け止められ、後者の呼ばれ方は、なんだか障がいを持ったものの「心の中では爽やかな風さえも吹いている」、そんな意味合いさえも感じてしまうのです。
今回その「Challenged」の私達を支援してくれる活動で、あの神戸デジタル・ラボがスポンサーとなり、サッカーのヴィッセル神戸のホームゲーム車いすエリア観戦者ご招待に応募した結果、見事招待の枠に入れてもらえ、希望していた10/5のノエビアスタジアム神戸、vs.名古屋グランパス戦を見に来ることができました。
Twitterや他のSNSでの障がい者の友達にも知って頂きたい。偶然にも私が車いすユーザーになる前にお知り合いになった、永吉 一郎氏が代表を努める株式会社神戸デジタル・ラボという会社は、様々な形で障がい者支援を行ってくれています。健常者の時に「まさゆめProject」というのをFacebookで知った時、その活動には感銘すら受けました。
この様な情報は当事者である自分からどんどん発信していきたい!と思うのであり、障がいの軽い重いに関わらず、近年に於いて社会の中でこれだけ障がいをサポート・応援してくれる枠組みやイベントが用意され、社会的モラルが高くなった事をお互いに賛美したいと思う訳であります。
前置きはさておき、地元でありながら初めてこの競技場にやって来ました。
御崎公園球技場 2002年に行われた日韓合同FIFAワールドカップに合わせて40,000人規模の収容能力を有するスタジアムとして改築されました。
普段はヴィッセル神戸がホームグランドと使用し、女子サッカーリーグのINAC神戸レオネッサやジャパンラグビートップリーグの神戸製鋼コベルコスティーラーズなどがホームゲームを開催しています。
神戸ウイングスタジアム株式会社が運営管理をし、施設は神戸市が所有。女子サッカーも神戸市#1!。改めて神戸市の都市としての潜在能力の高さを垣間見ます。
会場の車いす受付には私達夫婦を案内してくれるスタッフが待っていてくれ、階段のない通路をエレベーターで進みながら人混みを避け、車いす用席までサポートしてもらいました。この場所にこの時間で1万人が集まっています。人混みの中は何度か体験しましたが、自分達だけだと死にに行くようなものです。
サポートしてくれたスタッフの皆さん、有難うございました。
車いす専用の観客席は、通路を出た踊り場の一角がそうなっており、早くも先客がいました。
しかし、設定されている場所が建物の構造上、吹き抜けとなっている為、この部分だけ風がビュービュー吹きさらし、もし上肢下肢共に動かない脳性麻痺等の車いすユーザーなら、長時間は寒くて居られないのではと考えてしまいます。実際、厚着していなければ寒かったでしょう。
案内された場所に着くと、神戸デジタル・ラボさんが招待してくれた観客席が用意されていました。
普通にチケットを買って見る席より前側で、妻の方が舞い上がってしまい嬉しそうです。
いよいよMCが始まり今日のスターティングメンバーの紹介です。
昂ぶる緊張感!
そして試合開始。
運動音痴の私。サッカーを突っ込んでレポートするのは他所にお任せするとして、私のブログは障がいを持つ自分の観点からお話していくとし、日頃は静かに暮らしている私ですが、良い意味で雰囲気に飲み込まれました。
試合は両サイドとも盛り上がり、この時間で来客数はこんな数。
先程から競技場の通路をすれ違う中には、家族連れで休日を過ごす子供連れのお父さん、見るからに熱狂的なサッカーファンの方、手を繋いだ小さい子供達の軍団、車いすに乗った別の人達の群れ、世代を問わずみんなが楽しんでいる世界がそこにありました。まさにユニバーサルな空間!子供だったなら、どれだけ良い思い出となっていたでしょうか。
こんなにも人が集まる場所にサポート無しでは何度も言いますが、絶対無理です。これも1つのチャレンジドでしょうか?達成出来ました!
試合は3-1で名古屋グランパスがヴィッセル神戸を下し、地元ファンとしては残念な結果になりましたが、運良く台風もこの時間は来ずで、とても楽しい日曜を過ごしました。
機会があれば、又応募しようと思います。その時は宣伝させて下さいね。
拙いレポートでしたが、車いす観戦に招待してもらえた休日でした。
こういう1日を贈ってくれた方々に感謝。
素敵な思い出に残った最幸の人生の1枚となりました。
🙂
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