【登壇記録】身体障害当事者として伝えた「心のバリアフリー」——実体験から考えるホテル対応
先月、「多様な障害当事者による心のバリアフリー認定制度セミナー」に、
身体障害当事者として登壇し、お話をさせていただきました。
私は13年前に脳出血を発症し、右半身麻痺・発話障害・聴覚情報処理障害(LiD/APD)・視覚障害・記憶障害など、複数の障害を抱えて生活しています。
この原稿は、そうした当事者としての身体の状態を正確に伝えること、
そして**「もし一人でホテルを利用したら、何に困り、どうしてもらえると助かるのか」**を、
実体験と想定を交えてお話ししたものです。
特別なサービスの話ではありません。
私が伝えたかったのはただ一つ、
「心のバリアフリー」があれば、社会はもっと安心できる場所になるということでした。
10分という限られた時間で、できる限り正直にお話しした内容を、
記録として残すため、当日の登壇原稿をほぼそのまま全文掲載します。
「多様な障害当事者による
“心のバリアフリー” への挑戦
アイ・コラボレーション神戸 佐光 剛」
皆さんこんにちは。アイコラボレーションの佐光(さこう)と申します。
まず「実際の事例と対応法」についてお話しする前に、私の障害について共有させていただきます。
見ての通り、私は身体障害を抱えています。13年前に脳出血を発症し、左脳の1部を出血のため失いました。その為、
まず1つ目は、右半身の手指を含む、
右上肢の機能の全廃。
全く失われた状態と等しい状態です。
2つ目は、右の胴体部分の、体幹の運動能力低下。
傾きや不安定さを伴っています。
又、右肩の肩が脱臼しかけている亜脱臼があり、まっすぐ立って見ると、右肩だけ下がって見えます。
3つ目は、右下肢の数字で表すと1から5までのうち、4度の障害です。
この4度と言う等級は、重度の麻痺を示し、右足の膝から下がほとんど動かせず、歩行困難な状態を示しています。
ごく短距離は杖歩行、それ以外は歩行器や車椅子を使用しています。
多くの障害を抱えていますが、
以上が私の体の運動障害です。
4つ目は、発話障害。失語症。会話に関する障害です。 今しゃべっているこういう状態です。舌やのどの筋肉がうまく動かないため舌に起こる発音の障害です。その日の体調で変化します。
5つ目は、聴覚障害です。
正式には LiD/APD(聞き取り困難症/聴覚情報処理障害)と呼ばれます。
耳そのものは音を“聞こえている”状態なのですが、
脳がその音を「言葉の情報」として処理しにくいという特徴があります。
そのため──
・相手の言葉を何度も聞き返してしまう
・早口で話されると内容を理解できない
といった困難が日常的に生じます。
非常に厄介な障害ではありますが、
脳へ入る音声情報を補強するために補聴器を使用し、
日々のコミュニケーションを支えています。
6つ目は、視力障害
糖尿病が原因で目に数え切れないほどのレーザーを当てています。
糖尿病性網膜症です。
7つ目は、記銘力障害
新しく情報を記憶することができなくなる「記憶障害」の一種で、脳の損傷で起こります。
大きな障害は以上で7つです。
私の障害を有名人で例えると
長嶋茂雄元監督や
歌手の西城秀樹さんです。
私の仕事は、若い頃から32歳までDJをやっていました。DJで飯を食ってたプロDJです。
Kis FMのターザン山下氏は私のディスコDJ時代の後輩です。
なので、障害を背負ってからのギャップがかなりあって、ここまで回復するのにかなり苦労しました。
今でも少しろれつが回りません。
あと、四六時中、右半身にしびれを感じます。
以上が私の障害です。これらを「片麻痺」といいます。
遅れましたが、身体障害者手帳は1級1種です。
さて、次は実際に障害者がホテルを利用する事例と対応法です。
私は今までハワイが5回、うち障害者になってからの海外旅行は1回、最近では今年の4月末に沖縄の宮古島に旅行をしています。
旅行自慢になってしまいますが、滞在するホテルはヒルトン・ハワイアン・ビレッジ
ワイキキビーチリゾート
壁に虹がデザインされたレインボータワーが有名です。
宮古島は
ヒルトン沖縄宮古島リゾートです。
いずれも、高級ホテルで、おまけに妻が介助をしてくれるので
残念ながら、実際に旅行などを体験する当事者として
何一つ困った事はありません。
しかし、もし私が1人でホテルを利用したら、このような点が困り、こうしてもらったら助かるだろうと言う想定でお話しさせていただきます。
(少し時間を空ける)
まず、1つ目は
「片麻痺は1人でいると全てに困っている」と言うことです。
1人でホテルのロビーに来ました。フロントでチェックインします。
車椅子なのでカウンターは低いカウンターがあれば助かります。
メリケンパークオリエンタルホテルは低いカウンターも用意されていました。そして車椅子に乗ってると、すぐに声をかけていただいたのにも助かりました。
2つ目は、「利用者情報の共有」です。これはゴールデンウィーク前に宿泊した
ヒルトン沖縄宮古島リゾートで感じたことです。ホテルの従業員の皆さんが宿泊した翌日から車いす利用の私のことを、どうも知っているようで、こちら側としても、とても安心できました。
7年前、千葉のホテルオークラを利用したのですが、そこでは感じられませんでした。
個人的ですが、私はこんなのもサービスの1つだと受け止めています。
丁重な「おもてなし」を受けていると感じました。
特別なサービスと違い、このように「おもてなし」と考えれば、この「心のバリアフリー」も深く解釈できると個人的に思っています。
3つ目は、実際の事例と対応法とは違いますが
「トイレ」です。
日本国内ならウォシュレットはどこでも完備してると思いますが、海外ではハワイのワイキキにある五つ星ホテル
「ハレクラニ」
でも設置されていなくて、ついていないところが多く、
ウォシュレットのないトイレでもこの「携帯ウォシュレット」を持参すれば、快適に用を足せると思います。
トイレ器具で有名な「TOTO」の製品がアマゾンで売っています。
今回は体験と想定を交えながらお話ししましたが、
私が伝えたい結論はただひとつです。
🌟「心のバリアフリー」があれば、障害があっても社会で安心して生きられる。
特別なサービスではなく、
ちょっとした気づき・思いやり・配慮、それだけで社会は変わります。
皆さんと一緒に、そんな社会をつくっていけたらと思います。
お話させていただきましたのは、 障害当事者のアイコラボレーション・佐光でした。
拙いところもあったかと思いますが、
最後まで聞いていただき、心から感謝申し上げます。
ありがとうございました。
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